東京都現代美術館で開催されている「MOTサテライト」という美術企画展。
「美術館とまちをつなげ、まちの魅力を掘り起こすシリーズ」だそう。
地図がテーマになっているとのことで、紙の地図ズキとしては見逃すわけにはいかない!
ひょんなことから開催を知り、ある日の週末に出かけてきました。私が好きな作品を中心に、感想をまとめてみたいと思います🎨
MOTサテライト
「MOTサテライト」とは、東京都現代美術館(MOT)の活動を地域にも拡張し、作品鑑賞とまち歩きを通して、美術館周辺の「まち=地域」の魅力を再発見するシリーズ企画です。
MOT HPより
美術館が休館している間は、工場跡地や地域拠点を活用したスペースで開催されていたようです。
作品
いざ、地下の展示室へ降りていきます。ちなみに入場無料でした!
この時点で前情報なしでの突入です。
架空の都市「中村市(なごむるし)」
初めに目に入るのは、壁に貼られた大きな大きな地図。あ、もしかして清澄白河あたりをフューチャーした展示なのかな?と思いつつ鑑賞していると、なんだかおかしい。
街でよく見かける不動産情報や床に置かれたゴミ袋...なんの変哲も無い光景ですが、いまいち聞いたことがないエリアや店名ばかり。もしかして...そう!全てが架空のものでした。
ここでやっとピンときたのですが、これらはあの今和泉隆行氏による作品たち。
お名前は記憶にない方でも、「架空の街を地図で作っている人」といえばご存知の方も多いのではないでしょうか。私はタモリ倶楽部で知りました!あれから何年かなあ、と急にタイムスリップした感覚になったりして...。
今回の展示では、スーパーのビニール袋まで架空のもの。やっぱり面白い!
アイデンティティ・タペストリー
マリー・コリー・マーチ(Mary Corey March)氏による毛糸を用いたタペストリー。人としての属性や考え方を表すプレートがずらーっと並んでいます。その数200個以上!
深く考えずに断定できるもの、ちょっと立ち止まって自分を振り返るもの、答えが出しずらいもの...。まさにアイデンティティを実感せざるを得ないコーナーでした。
心に残ったのは、「何か信じられるものがあればいいのに」かな( ´∀`)
触る絵画
鍼灸師としても活動されている、光島貴之氏の作品群。
木製パネルに様々な種類の釘などが打ち込まれています。釘の感覚がなんとも繊細!指で辿っていると、不思議な音楽が聞こえてきそうな感覚になりました。
釘のシルエットすら美しい...。
Caos Poetico
MOTコレクションの荒木珠奈氏による作品。
暗いカーテンを開けると、温かみを感じる照明群が待っていました。
ちょうど人波が切れたタイミングで、静かに癒されてきました✨
ソイル・ライブラリー
こちらもMOTコレクション、栗田宏一氏の作品。
日本国内の土がガラス瓶に詰められて展示されている様子は圧巻!
瓶好きとしてはたまらない光景ですヽ(´▽`)/
鉄を多く含んだ強いグレーの土や、水彩絵の具を薄めたような水色の土、赤土のような臙脂色の土、などなど、そのグラデーションを楽しめる展示でした。
演劇クエスト
まるでゲームのような遊歩型ツアープロジェクトが「演劇クエスト」。
orangcosong+進士遙による作品です。冒険の書を手がかりに、それぞれがストーリーに参加できるというもの。ドラクエみたい!?
それまで大人しく展示を見ていた夫が、急にキラキラした瞳になったのが印象的でした^^;
感想
初めて鑑賞した「MOTサテライト」。さらっと見るつもりが、ついついじっくりその世界に引き込まれて楽しむことが出来ました。難解な定義を読み解くというよりは、触れて近ずいて考えるという、作品との距離が非常に近い展示イベントだなあと思います。
行ってよかった!
ひろがる地図-Wondering Mapping
開催期間:2019年8月3日(土)- 10月20日(日)
休館日:公式HP等をご参照ください
開館時間:10:00ー18:00
会場:東京都現代美術館 企画展示室 地下2F および MOTスポット7箇所
美術館HP:東京都現代美術館|MUSEUM OF CONTEMPORARY ART TOKYO
最寄駅:半蔵門線「清澄白河駅」B2番出口より徒歩9分
大江戸線「清澄白河駅」A3番出口より徒歩13分
東西線「木場駅」3番出口より徒歩15分(又は都営バスで「東京都現代美術館前」下車)
新宿線「菊川駅」A4番出口より徒歩15分(又は都営バスで「東京都現代美術館前」下車)